前回の「競売を回避できない場合に考えること」の続きとして「ご自身にとって得になること」についてのお話をさせて頂きます。
競売を回避できない場合に考えること
②少しでも高く売る為の努力
自宅が競売になった... とても大変な状況です。一体どうしたらいいか?何をどう考えたらいいか?精神的にも相当負担になっている状況だと思います。
「もうどうにでもなれ!」という気持ちも分からなくありませんが、先のことを考えて、少し冷静になって「ご自身にとって得になること」を考えて行動して頂けたらと思います。
「ご自身にとって得になること」とは、競売で少しでも高く落札してもらうことだと思います。
競売で売れた金額より借金の金額が多ければ借金は残ります。残った借金は引続き返済する必要がありますので、少しでも高く落札されて少しでも借金を減らすことがご自身の得となります。また、売れた金額で借金を全額返済できた場合には、全額返済後の余剰金(手元に残ったお金)はご自身のものです。
ですから、当然のことですが少しでも高く売れることはご自身にとっては得になります。
どうせ売られてしまう家なんだから何を今更... とお考えかもしれませんが、些細な事で入札金額が大きく変わる可能性があることをお話させて頂きます。
前回、競売の流れをご説明させて頂きましたが、競売開始決定されると不動産の鑑定評価が行われます。鑑定評価の実地調査の際には、土地や建物に立入って写真を撮影し、物件の状況を細かく調査します。その調査結果を踏まえて、物件の説明書が作成されて競売の最低落札価格が決定されます。
この鑑定評価の実地調査の際に、少し気遣いで入札金額が変わる可能性があることを説明します。
私自身多くの不動産競売の入札に参加していますので、入札する側の考えていること少しお伝えします。
競売物件という性質上、入札に際して建物を見学することはできませんので、実物も見れない中で金額を決めて競りに参加することになります。建物の内部状況を知る唯一の資料が実地調査時に撮られた数枚の写真です。ですからその写真を見て、この建物が今まで、大切に使われていたのか?雑に使われていたのか?等の判断をします。入札価格を決める要素の1つです。
例えば、テーブルの上に物が山積みになってたり... ゴミ箱が一杯になってたり... 障子が破れ放題だったり... 乱暴に物が置かれていたり...
そんな些細な事を見て、写真では見えない部分を色々なイメージを膨らませて建物の使われ方の善し悪しを判断して入札価格を上げたり下げたりします。
このように、入札する側は資料だけでは分からない見えない部分を様々なイメージで補い、総合的に判断して入札価格を決めています。
お金をかける必要はありません。出来る範囲での些細な事で写真越しに伝わる印象を少しでも良くすることは可能ですので、実地調査の写真撮影の際には少しでも良い印象の写真を撮ってもらえるよう事前に準備しておくことは「少しでも高く売ること」に繋がることになると思います。
自宅が競売になってしまった...その段階で絶望的な気持ちも理解できます。ただ、売って終わりではなくその後も続くことを考えなければなりませんので、どうか投げやりにならずに少しでも高く売れる為の努力して頂けたらと思います。
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